映画「審判」
フランツ・カフカの『審判』は一読したことがあるが、主人公が不条理な状態に置かれつづけたまま、事態が悪いほうへと転がりつづけ、なんとも後味の悪い結末を迎えてしまう、その意味不明さゆえに覚えていた作品だった。 その文学を、あの「市民ケーン」のオーソン・ウェルズが監督・脚本で映画化したのが、1963年のフランス映画「審判」 自身も、弁護士役で出演している。 審判 【ベスト・ライブラリー...
View Article悪い奴ほど、やたらと正義と美を語る
ブログを書き続けてすでに九年になりますが、たまに同じテーマについて論じた記事が、まったく違った結論になっていて、自分でも驚くことがあります。数年前は熱狂していたのに冷めてしまったり、逆に良さを発見してしまったりする。矛盾と一貫性のなさにうんざりすることもあります。...
View Article神無月の巫女精察─かそけきロボット、愛に準ずべし─(十一)
ロボットアニメとしての「神無月の巫女」を各話ごとに再考するレヴュー。今回はその四回目です。 ほんとうは四話ずつ三段構成でまとめるつもりだったのですが、最終話のみ考察が長引いたので分けることにしました。...
View Article*・*・*・* 創 作 小 説 ご 案 内 (Fan Fiction) *・*・*・*
二次創作小説の目録です。 いろんな要素を含むもの(どちらかというと百合が多め)がありますので、 なるべく、前書き(第〇話・序)を先にご覧になってください。 【ご注意】 レヴュー記事や二次創作小説には、不適切な考察や表現が含まれていることがあります。 基本的に読者さまは十八歳以上の方を想定しております。 また特定のペアや嗜好に配慮しかねる場合もあり、原作に忠実でない設定もあります。...
View Article残忍非道な加害者の人権を守るな!
本日付朝日新聞「報道と人権委員会」。 元少年Aの『絶歌』を巡り、早大教授が加害者も匿名で表現する自由があると発言。その根拠に、ノンフィクション「逆転」事件の最高裁判決で、当時未成年だった強姦殺人犯を実名公表した本がプライバシー侵害と判断したことを挙げた。これは明らかに誤解を招く指摘である。...
View Article神無月の巫女精察─かそけきロボット、愛に準ずべし─(十二)
さて、私がこの作品を観て、つねづね疑問に思うことは、後半部の怒濤の展開もさることながら、このロボットの立ち位置なんですね。とくに第十話以降のやっとめでたく誕生したアメノムラクモ。最終兵器であるところであり、八機合体のヤマタノオロチを向こうに回して戦えるほどの神機でありながら、あまりにもそれが果たす役割が少ないのです。...
View Article映画「友よその罪を葬れ」
日本の少年マンガで描かれる友情は、いっしょに勝利のために身を捨てて戦ってくれること、困った時には手を差し伸べてくれること、となっています。楽しいことも、苦しいことも分かちあってくれるような関係。しかし、関係が度を超して愛情に高まってしまった場合に友情に戻すことは難しく、また、金銭が絡んでくると長年の親交も途絶えてしまうのが人の常なのでしょう。...
View Article神無月の巫女精察─かそけきロボット、愛に準ずべし─(十三)
そのあまりに女々しいともいえる千歌音に、ソウマの機体が乗っ取られたとき、なにが生じたでしょうか。他のオロチ神のどれよりも増して、禍々しく変化を遂げたあのタケノヤミカヅチのすがたは暗褐色。それは「この先たった独りで血の涙を流す闘いをはじめる千歌音の決意の色」とされています。...
View Article神無月の巫女精察─かそけきロボット、愛に準ずべし─(十四)
そしてまた、第十一回に述べたように、千歌音がソウマから奪ったふたつものが同義である、という言説がここに帰結を見ることになります。...
View Articleアニメ「美少女戦士セーラームーン Crystal」最終回
去年もそうだったような気がするけど、今年も台風の当たり年なのか。 梅雨明けになったのかならないのか知らない間に、豪雨だったり、曇って蒸し暑かったり、かと思えば晴れているが強風だったり。とりあえず、避難させた鉢植えたちは動かせそうにありません。人的な被害が身近にはなくて、なにより。 さて、こちらもひさびさのレビューですね。 アニメ「美少女戦士セーラームーン...
View Article秋の散歩道
穏やかな気持ちで日記を書くのは、ひさしぶりな気がします。 夏ごろから秋への重大な予定に向かって準備をしはじめていたのですが、計画通りにうまく行かないことがあって。世事も騒がしかったですよね。疲れている時に、うんざりするようなニュースを見聞きすると、どうしても気持ちが塞がってしまいますよね。 とはいいつつ、昨日にはパリで911に匹敵する同時テロがあったり。日本も東京五輪を控えていますから心配ですね。...
View Article★==★==★= 創 作 小 説 御 案 内=★==★==★
二次創作小説の目録です。 いろんな要素を含むもの(どちらかというと百合が多め)がありますので、 なるべく、前書き(第〇話・序)を先にご覧になってください。 【読者の皆さまへの御注意】 レヴュー記事や二次創作小説には、不適切な考察や表現が含まれていることがあります。 また特定のペアや嗜好に配慮しかねる場合もあり、原作に忠実でない設定などもあります。...
View Article映画「潜水服は蝶の夢を見る」
2007年のアメリカ・フランス合作映画「潜水服は蝶の夢を見る」原題:Le scaphandre et le papillon、潜水鐘と蝶 英題:The Diving Bell and the Butterfly)は、事故で全身不随になったカリスマ編集長が主人公のふしぎなお話。身体にハンデを負い、こころに傷を抱えた障害者が社会復帰を果たす感動の物語を期待していると裏切られる。 潜水服は蝶の夢を見る...
View Article書籍『不動心』
スポーツとくにサッカーや野球などのメジャーな競技には興味がないせいか、競技者に関する手記はほとんど読んだことがありません。彼らのような天才的な技術と強靭な肉体に恵まれた方の人生と、自分はまったくほど遠いと思いこんでいたからです。ところが、とあるビジネス書を読んでいるうちに、松井秀喜氏の言葉の引用があり、ぜひとも本著を手にとってみたくなりました。...
View Article映画「私の頭の中の消しゴム」
2004年の韓国映画「私の頭の中の消しゴム」は、若年性アルツハイマーをあつかったラブロマンス。記憶障害の恋愛ものというのは古今東西多く話題に事欠きませんが、さて本作ではどう料理されているのやら。なお、これは日本のTVドラマ「Pure Soul~君が僕を忘れても~」(永作博美、緒形直人主演)のリメイクなんですね。 私の頭の中の消しゴム [DVD]ジェネオン エンタテインメント...
View Article魔法少女リリカルなのは二次創作小説「A Feather of My Love」 Act. 7
謝りをすなおに口にすると、フェイトはわずかに身を離してくれた。 やっと解放してくるのかな、と気が緩んだその側から、なのはの腰に腕を回したフェイト。なのははくるりとからだを回転させられて、たちまち、テーブルに背中を押しつけられてしまった。 フェイトの目が真剣だった。...
View Article神無月の巫女精察─かそけきロボット、愛に準ずべし─(十二)
さて、私がこの作品を観て、つねづね疑問に思うことは、後半部の怒濤の展開もさることながら、このロボットの立ち位置なんですね。とくに第十話以降のやっとめでたく誕生したアメノムラクモ。最終兵器であるところであり、八機合体のヤマタノオロチを向こうに回して戦えるほどの神機でありながら、あまりにもそれが果たす役割が少ないのです。...
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