勢い込んで分厚いテキストを買ったのだけれども、途中で投げやりになってしまう。その一冊を読み終えるころには、昨日と違った自分に生まれ変わる気がしたのに。文字の圧力に負けるというか、軽く扱ってしまって活かせないことはよくあります。
本の虫とは言いながら、毎日、かならず本に目を通せるわけではない。
けれども、毎朝活字に触れる機会といえば、新聞。
しかし、その新聞も固定費の見直しという名目で、定期購読を解消しました。
当初、寂しいかなと思ったのですが…、以外にも毎朝の日課とはいいながら、読まないといけない、理解しないとだめ、というプレッシャーから解放されて安堵しています。事件や事故の概要を知るぐらいなら、ネット検索かラジオを聴く程度で賄えます。
月ぎめの新聞の代わりに導入したのが、ビジネス雑誌の定期購読です。
試しに一冊だけ買ってみて、まあよかったので、割安になる複数年の定期購読契約を検討中です。
しかし、ニュースバリューにくわえ、オーソリティを感じさせるメディアとしての新聞を、私はいまだに疑ってはいません。やはり文字のぎゅっと詰まったあの大きな紙面をめくったりする瞬間がなつかしかったりする。
そこで、週に一度だけ日経新聞を購入することにしました。
買うのは毎週土曜日のみ。日経の土曜日版は本紙40頁超+別刷りのカラー特集もついています。これで一部180円はなかなかお得かと。日経は月で購読すれば4000円以上はかかるので、やや経済的に厳しいでですし、内容が濃いので毎日しっかり読める自信がありません。そこで週一のみでじっくり一週間かけて読み通すことにしました。
以前は読売で、その前は朝日、さらにその前はやや格下の地元紙。
くだらない人生相談や、芸能人インタビューや、好みでない挿絵、特定の力士のみ下げる口調、などにいつもムカついていました。日経はそれらがほとんどなく、広告も少なく、字の密度が濃いので嬉しいです。そう、昔の新聞はこれぐらい字が小さくて、記事も読みごたえがあったはずなんです。いつのまえに、あんなラノベみたいに字が大きくなりすぎたのか。
新聞はオンライン版でもたしかに読めますが、やはり実際の紙面とは奥行きが違うと感じます。やはりきちんと掘り下げて書いてあるし、ネット上ですと意地悪で辛らつに思える文面も、インクの香りがすればそうでもなく。
なので、一週間に一度は新聞に浸る時間をつくるために、あえて新聞を買う習慣は残してみました。
なお新聞のいいところは、基本、読み捨て前提なので、気兼ねなく線を引いたり、書き込んだりできるところです。
これが製本された雑誌や書籍だと、自分のものでも大げさにメモするのはためらってしまいます。キレイに読まなくてもいいのが、新聞の最大のメリットではないでしょうか。
(2020/10/11)
読書の秋だからといって、本が好きだと思うなよ(目次)
本が売れないという叫びがある。しかし、本は買いたくないという抵抗勢力もある。
読者と著者とは、いつも平行線です。悲しいですね。