映画「JFK」

1991年の映画「JFK」は、ジョン・Ｆ・ケネディ大統領暗殺の真相に迫ろうとした緊迫のドラマ。暗殺者がもうひとりいるとか、死因が偽装されたという話はかつてドキュメンタリー番組で知っていたのですが、こうして再現されてみるとほんものの映像と変わらぬぐらいリアリティがありますよね。

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1963年11月22日、テキサス州ダラスで、ケネディ大統領暗殺事件が発生。暗殺後まもなく、検挙された犯人オズワルドは容疑を否定したまま、射殺され真相は闇に葬られてしまった。
だが、ニューオーリンズ州の地方検事ジム・キャリソンは疑念を抱き、独自の調査を開始。事件現場の目撃者、関係者に綿密な聞き込みを図り、やがて大統領暗殺が、ベトナム戦争からの撤収を図ろうとするケネディに対する、軍やFBI、CIAが結託したクーデターであったとの確信を得る。

真相に近づきつつあったジムとその家族には身辺を脅かす不安がつきまとった。また重要な証言者が服薬にみせかけて殺害されてしまった。そんな脅迫にもめげず、ジムは事件の首謀者とされるクレー・ショーを訴え、法廷で暗殺の偽装工作を暴こうとするが…。

けっきょく政府からの圧力があったのか、裁判はジム側の負け。犯人のオズワルドに関する極秘報告書の公開される2039年まで真相は明らかにされない、という締めくくり。
裁判の勝敗はともかく、自分の身内のことでもなく、ケネディの信奉者でもなかった、いち地方検事が心血を注いで戦ったのは、合衆国の正義を全国民に訴えるため。事件の究明もさることながら、その情熱だけで、心うたれるドラマではあります。
ケネディ暗殺時の映像や、オズワルドの当日のアリバイを丹念に検証する姿勢も、犯罪映画としてはこだわりの出来映えといえるでしょう。

それにしても、戦争に反対し黒人解放にも尽力したケネディの暗殺後、彼を罵る声が多かったのには気色ばみますね。
これを観るとますます、オバマ大統領が誕生したことが奇跡のように思えてなりません。


ＪＦＫ(1991) - goo 映画


【追記】
今年はケネディ暗殺から半世紀。駐日大使の訪日で話題になったので、再録してみました。