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Channel: 陽出る処の書紀
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映画「慕情」

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1955年の映画「慕情」(原題:Love Is a Many Splendored Thing)は、ハーフである女医ハン・スーインの自伝的小説を映画化したもの。
多少の脚色はあろうが、甘美な恋の実りとその終わりをつづった切ないラブストーリー。

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1949年の香港。
中国人と英国人とのハーフである女医ハン・スーインは米国人の新聞記者マーク・エリオットと恋におちる。スーインは未亡人で、貞節を重んじる厳格な中国人の気質と、愛情を求めるのに大胆な西洋人らしさを併せ持っていた。彼女がハーフであり、偏見に苦しんでいること、そしてマークには不仲の妻がいることが最初の障害だった。が、ふたりは次第に離れがたく結ばれていく。

だが、朝鮮戦争の勃発がふたりを引き裂いてしまう。従軍記者として赴いた戦地で、マークは帰らぬ人に。
ラストはよくあるパターンなのですが、何ぶん、実話に基づくためそれなりの筋書き。
なお、ハン・スーインはペンネームで、実際の筆者はベルギー人と中国人との混血。いささか詩的すぎるきらいはあるけれど、甘美な台詞で迫るマークには、いやらしさがありません。
20世紀中葉の、共産党に支配された中国の内情、そして洋の東西が混在する香港の空気をよく表した歴史ロマンでもあります。

主演は熱烈な求愛をする新聞記者に、「麗しのサブリナ」のウィリアム・ホールデン。
知性と美貌あふれる東洋人女性に、「武器よさらば」の看護婦を演じたジェニファー・ジョーンズ。2009年にお亡くなりになりました。

監督は「陽はまた昇る」のヘンリー・キング。
1955年度アカデミー賞音楽賞・主題歌賞・衣裳デザイン賞に輝いた名作。
サミー・フェイン作曲の主題歌「Love Is a Many Splendored Thing」は、映画史上不朽の名曲とされる。

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