オタクの皆さんのお布施といえば、キャラクターグッズ。
漫画やアニメ、映画のみならず、アイドル歌手や、スポーツ選手、ご当地のゆるキャラなどなど。各種イベント会場で物販されていたりします。今回は主として、公式のアニメグッズを中心とする雑感です。
そのジャンルや年月日をあえて隠しますが。
とある作品の公式グッズが発売される見通しとSNSで広報があって、版権者さんもツイートしたものですから、ひとくさり話題となりました。販売元は、法人成りして数年の、聞きなれないグッズ制作会社でした。アニメの製作委員会とは無関係と思われるような。
ところで、そのグッズは制作会社のホームページからの通販。
グッズAは、今はやりのアクリルスタンド。あしらったのはアニメ本編の有名な絵。ファンなら垂涎の的です。でも──「実物と異なる可能性があります」との但し書きが下に、小さな文字で。え、絵が変わるのか?…と尻込みしたのですが。なんと、二カ月後あたりに高さを2センチ近く低くするとの後追いツイートが…。もともと小さいのに、さらに低くするの…?
グッズBは、数種類の缶バッジでした。
あまり人気のないキャラクターもお目見え。脇役のファンならすごく嬉しい。でも但し書きには「金属なので細かい傷があることがあります」の文字が。キャラの顔に傷がついたバッジ、誰が欲しがるの…?
グッズCはキーホルダー。これは主要ペアふたりの絵ばかりの数種類。
しかも、幻の過去のイラスト。制作会社のツイッターでは一個数百円との表示。しかし、実際、販売申込ページから申請すると個別では買えず、数千円の箱買いしないといけない…。
私は知りませんでしたが、グッズBとCはいわゆるブラインド商品でした。
グッズAは絵が一種類のはず。なのに、そのホームページでは、初期にはグッズAの下のほうにだけ「ブラインド仕様です」の文字が。その数日後に、グッズBとCの説明に変わっていました…。つまり、ほんらいはブラインド商品であるはずのグッズに、その但し書きをつけていなかったのです。
不信感が募ったため、そのグッズ購入をすることも、広報することも控えていました。
でも、なんとなく、モヤモヤします。通販だとク―リングオフの適用外になる可能性がある。アニメグッズならば中学生ぐらいでも買う。けれど、消費者保護の対象になるのか。その商品の売り方おかしくはないのか。景品表示法違反にならないのか。
ブラインド商品というのは、ひと箱だけを買ってもその中身が全種類揃わない。
だから、購入者は数千円もするのを何箱を買って、不要なキャラグッズはSNS上やイベント会場で譲渡や交換を持ち掛けるんです。自分の好きキャラが不人気で低レートとかさげずまれたりする。下手に定価で買うと揃わないから、いっそ、メルカリなどの中古市場に流れるのを待たれたりもする。飽きやすいジャンルは値がすぐ暴落する、などなど。
アクリルスタンドも今では珍しくないグッズの王道。
プリント技術が発達した今では量産しやすい、軽くて扱いやすく、利幅のいい商品。ところがこれも、ある人気アニメのアクスタが受注生産締切後にサイズやデザイン変更で見栄えが悪くなってしまい、ファンから抗議の声が殺到しました。
こうしたキャラクターグッズにまつわる闇を、最近になって、ネットリサーチではじめて知りました。
安易にアニメグッズが欲しいとほざいてはみたものの、こういうビジネスなのか…と。
サイズが変わるのは、素材の値段や下請け企業への発注額が高騰したとか、受注額が少ないために縮小するためなのでしょう。
でも、それって企業側の都合ですよね? 顧客はこのサイズだ、この出来ばえだと信じて納得して入金したのに、後から変更とは信頼関係を裏切る行為ではありませんか。サイズを誤って表記しておりました、とあるけれども。ブラインド商品を商品名のすぐ横に明記しないあたりに、錯誤を狙ったいやらしさがあります。
この問題は、他のジャンルでもよくあるそうです。
オタクはアホだから、ほいほい、美少女イケメンキャラ絵がついてたらお金を落とすからと見くびられているのでしょう。公式の版権者さんが広報すれば、それに乗っからないと申し訳ないような気持にさせられる。
そして、それを読者代表のインフルエンサーやらアイドルの追っかけベテランを広告塔にして、拡散させようとする。
そのグッズをみんなで買わないと、ファンの連帯感が保てないような空気感をつくらせる。そのインフルエンサーも悪気があるわけではなく、界隈を盛り上げたいだけ。けれど、私のように、なにかおかしいな、と気づいた方もおそらくいたのでしょう。
この公式ジャンルはいまだ好きなので、あえて名前は出していませんが。
公式さんを応援するなら、その原作者かその制作スタッフの別作品を評価するか、原作漫画ならば複数買いするか、円盤をかならず買うか、それが一番だという気がしました。いくら支持したくても、納得のいかない商品は買いたくないですし。そもそも、プラスチック製品の規制がはじまりそうな気配があるので、極力、生活に必要でないものは揃えたくないんですよね。
あと昔、ある付録特典がほしくて、ふだんは買わないフィギュアを購入したことがあるのですが。一部が破損していて、すぐ売り払ったことがありまして。アニメグッズの見本画像を信じてはいないです。
あと、こうしたグッズを購入する方は販売ページ自体のウェブ魚拓をとっておかれたほうがいいでしょう。勝手に不利な条件に書き換えられていたら、申し込みして入金した時点で契約成立になってしまいます。
とくに親御さんは、お子さんがこうした不正な販売サイトに引っかからないように、くれぐれも注意しておいてください。
課金ガチャもそれを理解している大人がするのならばいいけれど、正直、ギャンブルと同じですよね。公式にお金を落として貢献しているという満足度を利用されて搾取されているだけの気がします。つぎ込んだわりに面白くなかったら、飽きられやすいし、逆に悪いイメージがつきますよね。
それから、二次創作物の絵を勝手に流用した缶バッジやらタペストリーやらの、海賊版もたまにネットで見かけます。公式さんが関わっていない商品は危ないので、よく見極めましょう。
(2021/09/09)