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Channel: 陽出る処の書紀
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非正規社員を冷遇する会社に未来はない

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現代では大企業になるほど、人件費抑制の目的で、多様な労働形態のワーカーが協働しています。

私が勤めたとある医療機関では従業員が500人ほど。
医療系ワーカーには派遣法が解禁されていませんが、時給換算の契約職員がいましたし。事務系にいたってはレセプト計算や介護スタッフは外注の下請け、派遣社員、契約職員そして正職員が混在。

病院は理事長や院長を頂点として、医師は神の上の存在といった扱い。
そのいっぽう、患者に直接接するスタッフは複数の会社や雇用形態があるため、派閥があり、人間関係が最悪でした。

私はとくに有名な医療事務外注のスタッフのターゲットにされました。
医療事務の資格取得で有名なあの会社の。他の病院でもその外注さんが受付にいるけれど、そこではとても親切で愛想がいい。私の勤務先の特定の50代お局女性だけ陰湿で、私の上司たる正職員と懇意だったので、影で嫌がらせされました。学歴や資格があるのに、何でここで働いてるのみたいなマウントばかり。ミスを見つけると言いふらし、外注者は業務指揮命令権がないにもかかわらず私に指示してきます。管理職の方は、現場を牛耳られているので見て見ぬふりでした。

私の現在の勤め先は中小企業ですが、派遣社員を入れていません。
以前は利用したようですが、合う人材が得られなかったらしい。正社員のほうが多く、数名のパートさん、そして外注さんがいます。しかし、雇用形態によって差別したり、侮蔑的な言葉を吐いたりしません。外注さんは作業単価が安いのに長年がんばってくれる方が多いので、社長みずから挨拶に行くぐらい大切にしています。

その社長も正社員にたまに無茶ぶりな指示を出しはしますが、身内に不幸があればコッソリ弔慰金を出すなど、とても温情があります。本来ならば有給申請が通らない社員の、家庭の事情での休暇を有休として認め、有休手当を支払ったこともあります。

労務管理者として無駄な残業代を打つことはできないので、時に厳しく勤怠チェックをせねばならないときもありますが、普通ならば無給にされておかしくないのではと思う急な退勤者でも、早出で作業していた心意気を買って、その勤務時間分を出勤扱いにしたり。

けっして大きな、有名な、新しい企業ではない。
けれども、社員をここまで大事にする会社で働けて、私はとても満足です。じゃっかんサービス残業が多くはあるけれども。

正社員のみならず、派遣社員やパートタイマー、アルバイト、そしてアウトソーシング労働者も、立派な組織経営の担い手です。彼らの存在なしに会社は成り立たない。会社に係る人すべてを大事にする企業には、100年先も残る余地があるでしょう。私はそれを見届けたいと願っています。

(2022/07/10)



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