大学時代、寄宿していた学生寮で先輩がたによく言われることがありました。
万葉樹さんは寮内でも「きちんとした格好」をしているね、というのです。この「きちんとした格好」というのは、学生にふさわしくないオシャレをしているね、という褒め言葉ではないのです。この学生寮はトイレ、浴室、キッチンなどが共有部分でしたので、部屋を一歩出れば、かならず誰かと顔を合わせます。ですので、私はほとんどそのまま講義に出るような普段着で過ごすのですが、ほとんどの寮生は夜になればパジャマでした。
じつは私の家は、寝巻に着替えないで布団に入る習慣がありました。なんとなく、寝るための服をもつ、というのはちょっと育ちのいいおうちの習慣のように思っていた節があります。よく時代劇なんかでも、白い着物で寝てるのはお武芸者さんのお屋敷だったりしますよね。平民は着替えていません。
パジャマを着る習慣ができたのは家族が入院してからでした。入院生活にはパジャマが必要です。その後の独り暮らしでもパジャマを着たこともあったわけですが、家族と暮らすようになり、ある日を境にやめました。その日とは、あの東日本大震災の日。
私の周囲でも、寝巻で寝なくなったという話を聞きます。
いざというとき、着の身着のままで逃げ出せるように、スウエットやパーカーなどのそのまま外出してもいいような部屋着になったそうです。私もここ三年ぐらいは、三着もあるパジャマをほとんど着ていませんし、捨てようかなとも思うぐらい。（洗濯の量が増えるからという理由はさておき）
今年にはいって、あいついで災害がめだちます。
昨晩も列島を横断した台風19号の襲来で、夜も外が騒がしい。早めに就寝したのですが、ひょっとして避難勧告が出たらどうしようか、などとも気を揉みます。広島の土砂災害の一件以来、地方自治体や気象庁は警報の発令に敏感になっています。空振りでもいいから、とにかく避難させておきたい。最近は自分の責任で生じたかのような事故ですら、行政が訴えられるケースも増えていますから。
でも、公共が先手を打って危険を知らせてくれても、肝心の自分たちにいざというときの逃げる心構えができていなければ無駄です。うちは避難袋も用意できていませんし、いざ、災害があったときにどうやって連絡をとりあうか、どこに落ち合うかの話しあいも十分ではない。台風が過ぎ去って安全でよかったとは思うのだけれど、イザというときの備えの甘さに気づかされます。
自然災害の備えとして、心がけることの一つ目は、いざというときすばやく逃げられるべく、日頃からからだを鍛えておくことですね。自動車で避難できないことが多いです。からだは毎日軽い運動でほぐしておかないと、イザという場合に自分の思うように動かせなくなります。とくに年齢を重ねていくにつれ。
二つ目は家族やご近所とそこそこ仲良くしておくことでしょう。これも現在のような個人が孤立化しやすい状況では、大きな課題ですよね。（田舎はたいがい人付き合いの縛りがうっとおしいのだけど）携帯電話があるから，誰かとすぐ連絡とれるや、と錯覚してしまうけど、そうじゃなかったら？
三つ目は、住まいや居住地の周辺状況について、よく確認しておくことです。家屋は新築から三年もたてば、かならず傷んできます。老朽した箇所がないかチェックしておきましょう。落下物によって怪我をする、させる場合もありえます。車なら車検がありますが、家はなにかあってからはじめて気づくことも多いもの。家のメンテナンスにかかる経費は馬鹿になりません。
四つ目は、もしもの備えとしての保険。
最近の火災保険は風水害での損害もカバーする商品が出ています。地震保険はあくまで地震による被害しか補償されないのですが。ただし、損害保険というのはそもそも被害の全額を補償してくれるものではないのを、ゆめゆめお忘れなく。いざというときに頼みにしていた保険金が下りないと泣きをみないためにも、定期的に加入している保険を再確認しておきましょう。無駄な保険金を掛け過ぎていることもありますので、見直すことも大事ですね。保険は入ってるから安心、などと思わないことです。
ちなみに天候が荒れたり災害が起きると、わざわざ撮影するために危地に足を運びたくなりますよね。好奇心のなせる業なのですが、カメラ構えていると身の安全に配慮できなくなるので危険です。
いざというときに何を持ち出すか、必要最小限のものとして何を含めるか、というのも考えておかないといけないんだろうな、と思いつつ、家のなかの棄てられないものを眺めては悩むばかりです。ここに連ねたのは、これからの我が家の課題でもあります。
万葉樹さんは寮内でも「きちんとした格好」をしているね、というのです。この「きちんとした格好」というのは、学生にふさわしくないオシャレをしているね、という褒め言葉ではないのです。この学生寮はトイレ、浴室、キッチンなどが共有部分でしたので、部屋を一歩出れば、かならず誰かと顔を合わせます。ですので、私はほとんどそのまま講義に出るような普段着で過ごすのですが、ほとんどの寮生は夜になればパジャマでした。
じつは私の家は、寝巻に着替えないで布団に入る習慣がありました。なんとなく、寝るための服をもつ、というのはちょっと育ちのいいおうちの習慣のように思っていた節があります。よく時代劇なんかでも、白い着物で寝てるのはお武芸者さんのお屋敷だったりしますよね。平民は着替えていません。
パジャマを着る習慣ができたのは家族が入院してからでした。入院生活にはパジャマが必要です。その後の独り暮らしでもパジャマを着たこともあったわけですが、家族と暮らすようになり、ある日を境にやめました。その日とは、あの東日本大震災の日。
私の周囲でも、寝巻で寝なくなったという話を聞きます。
いざというとき、着の身着のままで逃げ出せるように、スウエットやパーカーなどのそのまま外出してもいいような部屋着になったそうです。私もここ三年ぐらいは、三着もあるパジャマをほとんど着ていませんし、捨てようかなとも思うぐらい。（洗濯の量が増えるからという理由はさておき）
今年にはいって、あいついで災害がめだちます。
昨晩も列島を横断した台風19号の襲来で、夜も外が騒がしい。早めに就寝したのですが、ひょっとして避難勧告が出たらどうしようか、などとも気を揉みます。広島の土砂災害の一件以来、地方自治体や気象庁は警報の発令に敏感になっています。空振りでもいいから、とにかく避難させておきたい。最近は自分の責任で生じたかのような事故ですら、行政が訴えられるケースも増えていますから。
でも、公共が先手を打って危険を知らせてくれても、肝心の自分たちにいざというときの逃げる心構えができていなければ無駄です。うちは避難袋も用意できていませんし、いざ、災害があったときにどうやって連絡をとりあうか、どこに落ち合うかの話しあいも十分ではない。台風が過ぎ去って安全でよかったとは思うのだけれど、イザというときの備えの甘さに気づかされます。
自然災害の備えとして、心がけることの一つ目は、いざというときすばやく逃げられるべく、日頃からからだを鍛えておくことですね。自動車で避難できないことが多いです。からだは毎日軽い運動でほぐしておかないと、イザという場合に自分の思うように動かせなくなります。とくに年齢を重ねていくにつれ。
二つ目は家族やご近所とそこそこ仲良くしておくことでしょう。これも現在のような個人が孤立化しやすい状況では、大きな課題ですよね。（田舎はたいがい人付き合いの縛りがうっとおしいのだけど）携帯電話があるから，誰かとすぐ連絡とれるや、と錯覚してしまうけど、そうじゃなかったら？
三つ目は、住まいや居住地の周辺状況について、よく確認しておくことです。家屋は新築から三年もたてば、かならず傷んできます。老朽した箇所がないかチェックしておきましょう。落下物によって怪我をする、させる場合もありえます。車なら車検がありますが、家はなにかあってからはじめて気づくことも多いもの。家のメンテナンスにかかる経費は馬鹿になりません。
四つ目は、もしもの備えとしての保険。
最近の火災保険は風水害での損害もカバーする商品が出ています。地震保険はあくまで地震による被害しか補償されないのですが。ただし、損害保険というのはそもそも被害の全額を補償してくれるものではないのを、ゆめゆめお忘れなく。いざというときに頼みにしていた保険金が下りないと泣きをみないためにも、定期的に加入している保険を再確認しておきましょう。無駄な保険金を掛け過ぎていることもありますので、見直すことも大事ですね。保険は入ってるから安心、などと思わないことです。
ちなみに天候が荒れたり災害が起きると、わざわざ撮影するために危地に足を運びたくなりますよね。好奇心のなせる業なのですが、カメラ構えていると身の安全に配慮できなくなるので危険です。
いざというときに何を持ち出すか、必要最小限のものとして何を含めるか、というのも考えておかないといけないんだろうな、と思いつつ、家のなかの棄てられないものを眺めては悩むばかりです。ここに連ねたのは、これからの我が家の課題でもあります。