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Channel: 陽出る処の書紀
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映画「ライトスタッフ」

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米朝首脳会談前後からの米国の迷走ぶりには痛いものがあります。
まず、その会談自体が北朝鮮独裁国家の政体温存してしまったうえ、核廃絶の道筋を何らつけられなかったこと。米韓軍事合同演習を中止したが為、けっきょくは、中国を利する結果となったこと。その中国に対する貿易赤字解消のため、合衆国が日本含めて貿易相手国へ向けて関税上乗せしはじめている。この米国の貿易政策により輸入品の価格が上昇し、自国の経済が圧迫されることになります。昨日報道された日銀短観も二期連続の悪化を伝え、景況感が優れない模様。イランからの原油輸入をやめろと各国に指示までする始末。

そもそも、政治経験のない男を国のトップの据えてしまった米国とは、いかなる国なのか。
国連人権理事会からの離脱まで表明してしまったトランプ米政権。自身ですら移民三世なのに、もともとはインディアンが原住民であったのに、白人至上主義を掲げ、それが州の司法でも後押しされてしまう姿は、もはや合衆国とは思えません。一時期の大統領の言動いかんによって米国の良さが落ちるわけではないのだけれども、日本はこの国にあまり依存してはいけないように感じますね。 

本日は米国の独立記念日。
ということで、合衆国ならではの映画を紹介いたします。

1983年の映画「ライトスタッフ」は、60年代にソ連と熾烈な宇宙開発競争を進めた合衆国で、はじめての単独宇宙飛行に挑んだパイロットの苦難と栄光を描いた大作ドラマ。
「ライトスタッフ」とは、前人未到の危険な挑戦にいどむ者としての「正しい資質」のこと。

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ソビエトがスプートニクの打ち上げに成功して以来、宇宙開発計画で後塵を拝してきた米国は、宇宙飛行士を空軍パイロットのなから選抜。選ばれたのは、七人の勇。
訓練はかなり厳しく、妻たちの不安はなかなか拭えない。七人は英雄と褒めそやされるいっぽうで、私生活も始終マスコミに見張られ、安らかな家庭は崩壊しつつあった。
しかもNASAの科学者たちは、彼らをサルとおなじ実験動物のように扱う。エースパイロットとしての誇りにかけて、そして妻のこころの安定を寄り戻すために、男たちは連帯して戦った。
そして、七人はつぎつぎに宇宙に飛び出し、アメリカの宇宙開発史の輝かしい幕開けを飾ることになる。

七人のうち、とくに印象深く描かれているのは、宇宙ロケットに乗り込む前に、音速の壁を破った記録をもつ空軍パイロットだったチャック・イエーガー。
ただし実在のイェーガーは、NASAと空軍のパイロットを養成する学校の校長を務めただけで、パイロットには選ばれていません。落馬で骨折した身体に鞭打って飛行し記録をつくったことや、墜落事故から生還したのは事実なようで。

終盤の祝賀会で、羽をまとった女性が妖艶なダンスを披露するシーンは圧巻。
六人のメンバーが目線をあわせるのも、粋ですね。

イェーガーを演じたのが、劇作家のサム・シェパード。
エド・ハリスが演じた、ジョン・グレン飛行士は、その後1998年、向井千秋らとともに、77歳で宇宙飛行に再挑戦、宇宙飛行の最年長記録を打ち立てたことでも有名。
監督はフィリップ・カウフマン。

それにしても、新大陸目指した冒険家たちが切り開いたあの国だからこそ、宇宙へ乗り出すにも熱心なのかもしれませんね。国外のロマンへ目を向けるのもいいのだけど、まず内憂をなんとか解決しないと…と思うのは、日本だって同じなのですが。

ライトスタッフ(1983) - goo 映画


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