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Channel: 陽出る処の書紀
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病気になっても「病人」にはならない

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職場で毎年定期健康診断があれば、自身の健康状態がわかります。
福利厚生の整っている企業法人であれば、産業医のカウンセリングもありますよね。会社員の加入する健康保険の種類によっては、インフルエンザの予防接種に補助金が出たり、特定保健指導に熱心だったりします。自営業者の場合、国民健康保険に加入し、きちんと保険料を納付していれば、一定年齢にがん検診などのクーポン券が送られてきますが。仕事はカラダが資本なので、とにかく体調管理には気を付けています。

昨年から本業のかたわら会社員に戻りましたので、組合健保に加入しています。健康診断を受診したところ、日常生活に注意を要する、との警告文が。かかりつけ医にて再検査をしたところ、とくに入院治療を施すほどではないとの結果でした。これが今年春先のこと。

これまで入院もしたことがなく、通院といえばこの頃は虫歯治療の歯科か、コンタクトの眼科か、たまの風邪で内科か、ぐらいにしか、お世話になったことがない健康体でした。ところが、今年はふとしたことで体調を崩すことが多かったです。病気自慢だと笑われそうですが。

朝のウォーキングと体操は続けていますが、それすらできないくらい首が痛くなってしまって、慌てて十数年ぶりの整形外科を訪れたり。横になっても寝返りが打てなくなっていたくらいだったのが、麻酔を打ってもらい、飲み薬と湿布で数日にて改善しました。とくに深刻な怪我をしたことがなくても、日常のちょっとしたことで運動機能が格段に落ちることに驚きました。

最近は食事にも気を使って、糖分や動物性油脂は控えるようにしています。
間食はめったにしない。食事は腹八分目、できれば六分目が望ましい。睡眠も大事なので、寝る前に必要がなければスマホやパソコンのブルーライトを浴びるのを避けています。私の知り合いの経営者さんで80歳過ぎても矍鑠(かくしゃく)とされた方は、お酒をまったく飲まれないそうです。お付き合いが広いだろうし、気さくな方なので酒豪なのではと思っていたのですが。私も若い頃は仕事のストレスがあって、週末休日にチューハイとおつまみを食べるのを楽しみにしていましたが、いまはまったく飲んでいません。家系からいって酒飲みなのですが、わざと嫌いです、苦手ですアピールしています。女性の間でワインカフェ通いが流行っているようですけど、ほどほどに。お酒でストレス解消が習慣化すると、アルコール依存症になります。糖尿病も怖い。お酒が飲めたら一人前という考えは、もう古いですよね。ちなみに眠れないときにお酒に頼るのは、眠りが浅くなるので、絶対やめたほうがいいそうです。炭酸飲料一缶でさえ家族と半分こし、低糖表記のコーヒーでも薄めて飲んでいます。

漫画家の田中圭一さんが書かれた『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち』(KADOKAWA・2017年)という本が話題になりました。
どんなに人生が順調になっていても、気分が塞ぐことはある。病院に通い詰めて投薬されても完治しない。心の風邪なんて生やさしいもんじゃない。うつは「心のがん」。罹患すると自分の中に飼い続ける。うつは考え方の癖のようなもので、じょうずに付き合っていくのが大事、という趣旨でした。最近、メンタルヘルスが謳われているせいか、過剰に「こころが病んでいます」とカミングアウトする風潮があります。病気になって、かまってほしい、労わってほしい。そういう空気が伝染しているんです。医者も病名をつけて、患者を食いものにしています。日本の医療費が減らないはずですね。

企業などでも労働者へのハラスメントを問題視し、サービス残業や長時間労働を是正する流れがあって、健康で働きやすい職場環境整備への取り組みがはじまっています。喜ばしいことですね。うつを治すには、趣味や生きがいを持つのがいいのは事実です。しかし、人間はあまりにストレスのない怠惰な暮らしばかり続けていると、容姿も老けてみえますし、脳が衰えて認知症にかかりやすくなります。アニメやゲームばかりになじんでいると、大友克洋さん原作のアニメ映画「AKIRA」に出てくる老けた子どもみたいな風貌になると、よく言われますよね…。

日本の健康保険制度や年金の優秀さはあらためて言うまでもありません。
原則として現役世代は、三割負担。高額療養費もあります。米国では金持ちしか医療機関を受診できません。しかし、長寿社会で病院にかかる人は多く、医療費はうなぎのぼり。糖尿病や生活習慣病の改善が取沙汰されて久しいもの。私はメタボではなくBMI値も正常、20代の頃から体重はほとんど変わりありませんが、それでも中年になると体形が変化し、体力も減少してきます。やりたいことが多くても、からだがついていかないことが多い。若い頃に時間を無駄にせずにもっとやっておけばよかった、暴飲暴食したりせずに健康な生活習慣を早くから身に着けておけばよかった、と思うことはたくさんあります。私がそれを意識したのは、士業の資格の勉強をはじめてからでした。

「病気になっても病人にならない」という言葉があります。
松下幸之助翁が説いたように、長生きをした人は、たいがい、なんらかの持病を抱えながら養生し、うまく付き合っています。自分の心身を大事にしないと、人生はうまくいかないもの。小さな体調の変化も気を付け、予防に努めたい。過剰に健康情報に惑わされて、無理して運動して肉体を壊すことなく、自分を活かしていきたいと願っています。

健康こそは、生まれながら誰にでも与えられた最高の資産。
たとえ、身体に何らかのハンディがあってもメンタルの根本が健全であれば、人生の苦難は乗り越えられます。自分のカラダを活かすも殺すも自分次第です。




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