個人事業主としての経歴が10年になる私は、最近になってやっとお金の管理がわかってきたと感じます。
なんとなく記帳していた帳簿の数字がどんな意味をもつか、どこに、どれだけお金を分配すればよいのか。確定申告のためだけに、ただ数字を記入していただけの作業から意識を変えました。
一般事業所の経理事務ならばただ数字の計算だけしていればよいのですが。
どんな小さな事業でも経営者ではあるのですから、経営判断をし、支払うべきものは資金を準備し、無駄なものを省かねばなりません。
昨年からとりくんでいるのは、会計ソフトの記帳とは別に、Excelでの経費の概算をすることです。
今までは家計簿に手書きでなんでもかんでも買ったものを記録、月末に経費帳に仕訳して記帳、税務申告前に会計ソフトに入力というパターンがほとんど。
しかし、これではリアルタイムの、毎日、毎週、毎月、四半期、毎年ごとの数字が見えてきません。
今月までに、どの勘定科目の経費をいくら使ったのか。それを把握せずにいると、予算分配が偏ってしまい、緊急の出費があったときに対応できなくなります。たとえば、いきなりパソコンや家電が壊れてしまったら。まずいことに、オシャカになるときにはいっしょに来ますよね。
なんでもっとExcelをマスターしておかなかったのか、悔やまれます。いったんフォーマットを作成したら、あとは数字を入力するだけ。適宜、使いやすいように仕組みを修正すればいいのですから。予備費がどれだけ使えるのか、予測ができます。
Excelで勘定科目ごと、事業と私人との出費、事業収入と個人収入(兼業会社員給与など)とを区別することで、いろいろ分析できることがありました。
たとえば、私は読書好きですから、どうしても資格取得費や図書新聞費と称してテキストを買いまくっていたことがあります。
いつも何かを学んでいる、ものを知っている、「賢そうな」自分に酔っていたのでしょう。しかし、それはただの学生気分の延長です。本ばかり買っても、答えを出すのは現実の自分。私ひとりだけの知的好奇心は満たせても、事業用に必要な将来の工事費や、空き家の修繕費用の捻出がおろそかになります。また私自身の老後の資金準備もあります。個人事業の収入が目減りしているならば、個人としての稼ぎをよくするための手段も考えねばなりません。
私は同居人とはほぼ同業種ですが、扶養しあわず別世帯で別生計。トラブルになるのでお金の貸し借りも行っていませんが、家計管理はいっしょに行っています。というか、私がほぼ主導しておこなっておりますが(笑)
同居人は今年、不摂生がたたって入院してしまい医療費がかなり高額にのぼりました。
もし事業主で医療費がかかった年は所得税が非課税もしくは大幅に減額される見通しがあります。災害や盗難などに遭えば雑損控除ができます。こうした不測の事態の大きな出費が発生したならば、その年の他の出費をきちんと抑制しないと、たちまち赤字になってしまいます。欲しいものも我慢しないと、お金がないない、仕事がもらえないと人に愚痴るだけで、ものを溜め込み、いたずらにネットばかり見て時間を融かしてしまう貧乏性な人間に陥ってしまいます。
話し合いのすえ、なるべく医療費や食費、住居費などにお金を回し、不健康になる嗜好品や管理が難しくなる物品は在庫確認のうえで少しずつ購入するように説得しました。
不要なものを置くだけで、あとで片付ける時間と体力、その専有されたスペースは奪われてしまいます。使いきれない衣料品や家電などを家に置きっぱなしにすることは、乗りもしない車を置くためだけに駐車場代を払い続けているのと同じだ、とあるサイトに書いてありましたが、まったくそのとおりです。
お金の管理と言えば、財布から出ていく現金、カードの使用頻度、ポイント獲得や金融投資など数字の増減ばかり気になりますが。買ったあとのものをきちんと管理できているか、活用できているか、古すぎるものや無駄なものを保管して生活しにくくしていないかも、生活防衛術としては大事なことです。
(2022.04.17)