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Channel: 陽出る処の書紀
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鳥と争わなかった木 2021

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伊藤若冲 『動植綵絵』のうちの「南天雄鶏図」
(1757-1766年頃、三の丸尚蔵館蔵)




お出かけ予定もないので、やりたくもない庭仕事がはかどります。
今回は自然のお話です。

私が数年前から管理する空き家には、複数の樹木があります。
もともと生えていたもののうち、果樹として活きているのは二種のみ。ユスラウメとキンカンだけ。柿の木は実がならず屋根にかかるので伐採。夏ミカンが大量に生る大木はあまりに高くなりすぎたため、幹の中間でばっさり。おのずと管理できやすい高さで、しかも食べやすいものだけが残りました。

キンカンは2月ぐらいから実が赤らみはじめてきます。
3年ほど前に鳥に全部奪われたのを契機に、防鳥網をかぶせることに。しかし、これをかぶせるのが面倒だった私は、まだ青みが残る2月末ごろまでにすべて収穫し、ボウルのなかで熟すのを待っていました。

ところが、今年はかなり早めの1月半ばに網をかぶせ、確定申告などなどの面倒ごとが続いたがために4月までほったらかしに。
最終的にすべて収穫したのは4月下旬になってからです。

実はもうきれいな橙をしていて、外皮はしっかりしていますが、トマトのような甘さでした。ミカン特有の酸味がまったくなく、糖分がかなり載っています。木に実らせたまま、日光にあてると、ここまで熟すのかと驚きました。早めに収穫していたときは、ふつうに市販のミカンの皮のような固さがあったのですが…。

これまで網をかぶせていても、隙間から鳥につつかれることはありました。今年は三重にかぶせて厳戒態勢だったため、鳥も諦めてしまったようです。古い納屋を解体して見通しがよくなったため、車庫に巣をつくられることもなくなり、鳥が避けてくれたようですね。

でも、キンカンとか橙の木は棘が多いので、網かぶせも収穫もなかなか痛い思いをしないといけないのです。根が張って土地が傾斜している箇所で台にのぼるので、足もとも不安定ですし。

この裏庭のキンカンとは別に、前庭にも新しくハッサクの若木を植えたものの陽あたり良好すぎるのか、いまだ実らず。キンカンで味を占めたので、もう一本キンカンを増やそうかと計画していますが、手入れを怠って木が増殖しても怖いんですよね。もともとは森みたいに鬱蒼としていたのを、なんとか庭になるように整えていったものなので。







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